お知らせ
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作成日:2013/04/27
相続税節税 アパ−ト経営は有効なのか?



【疑問点】
 人口が減少している上越市で新築アパ−トが次々と完成しています。大手ハウスメ−カ−が相続税の節税になると言って営業を行っている結果だと思いますが、需要と供給から考えてアパ−ト経営は成功するのでしょうか?

【検討】
 これは大手ハウスメ−カ−のホ−ムペ−ジに掲載されているケ−ススタディ−です。

(例)相続税評価額1億円の土地に、アパ−ト(借入金7,000万円、建物の固定資産評価額3,000万円)を建築した場合

1.何もしない場合(更地)での相続税評価額
  1億円(子供2人が相続し、他に相続財産がない場合の相続税は350万円)
2.建築後の土地の相続税評価額(借地権割合は60%とする)
  土地:1億円×(1−60%×30%)=8,200万円...a
  建物:3,000万円×(1−30%)=2,100万円...b
  借入:▲7,000万円...c
  相続税評価額:a+b+c=3,300万円(同条件での相続税は基礎控除額以内となるため0円)

 このケ−ススタディを検証しましょう。対策を何もしないと相続税が350万円ですが、アパ−トを建てて対策をとると相続税が0円になるので得ですよ、ということです。相続税が得をすることは事実ですが、問題は借入金7,000万円はアパ−ト経営から上がってくる収入により完済できるのかという点です。繰り返しますが人口が減っているのにアパ−トが増えている状況でアパ−ト経営は成功するのでしょうか?

「○○年一括借上げ制度があるから安心」は本当か?
 契約書をよく見てください。一括借上げ契約には5年くらいでの契約更新が規定されています。入居率が下がれば借手側(ハウスメ−カ−)は、家主に対して賃料引き下げを求めることは想像できます。
賃料引き下げに応じなければ契約は終わりです。他の不動産業者に依頼して入居者を探すことになります。ハウスメ−カ−が作成したアパ−ト経営の収支に関するシュミレ−ションどおりにいかないで
返済ができなくなるとアパ−トを手放す事態になります。事実、千葉県幕張では叶ョ理回収機構の所有になっているマンション等が多数あるとのことです。

「借入でなく自己資金で行えば問題はないか?」
 不動産投資した資金は、回収しなければなりません。辛目の入居率でシュミレ−ションを行って判断する必要があると考えます。

 相続税の節税を行い、その結果将来的に財産を減らすことになることは本末転倒です。注意してください。


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佐藤武彦税理士事務所
〒942-0081
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